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高まる「日本ワイン」人気 国産ブドウ100%、イベントは大盛況

国産のブドウだけで造られた「日本ワイン」の人気が高まっている。日本固有のブドウ品種を原料とする「山梨ヌーボー(新酒)」解禁を祝うイベントは、東京会場に約4千人が詰めかけ大盛況となった。秋はワインの新酒の季節。各地で新酒を味わうイベントが開かれる。(寺田理恵)

 ◆品種が国際登録

 山梨ヌーボー解禁の3日に合わせ、東京・日比谷公園で開かれた「山梨ヌーボーまつり」。開始を待つワイン愛好家らが1時間以上前から長蛇の列を作った。

 目当てはワイナリー37社の新酒計70種。中でも注目は、この日解禁された日本固有のブドウ品種「甲州」「マスカット・ベーリーA」の山梨ヌーボーだ。それぞれ平成22年、25年に「国際ブドウ・ワイン機構」(本部・パリ)に登録され、EU諸国へ輸出する際にラベルに品種を表示できる。参加者は2千円でグラスワインのチケット10枚とグラスなどを受け取り、ずらりと並ぶ新酒に向かった。

 開会に当たっては、山梨県の横内正明知事が「糖度と酸度のバランスの取れた質の高いワインができた。11月の山梨はワイン一色」。「日本ワインを愛する会」副会長を務める俳優、辰巳琢郎さんも「東京五輪に向けて、おもてなしをするために日本ワインの消費を伸ばしていきたい」と気勢を上げた。

 主催した県ワイン酒造組合の斎藤浩会長は日本ワインの人気が高まっている理由として、15年に始まった日本ワイン限定のコンクールで生産者が競い品質を向上させたことを挙げる。同組合は15、16の両日、山梨会場(甲府市)でもイベントを開く予定だ。「ワインにはブドウを収穫した年の天候が再現される。その年の天候を新酒でいち早く味わってほしい」と話す。

 輸入原料を使っても国内製造なら「国産ワイン」と名乗れるのと区別して、国産ブドウ100%のワインは日本ワインと呼ばれる。

 ◆たこ焼きに合う

 知る人ぞ知るブドウの産地は大阪府だ。大正から昭和初期にブドウ栽培が盛んに行われ、老舗ワイナリーが存在する。その一つで、西日本最古のカタシモワイナリー(大阪府柏原市)が16日、創業100周年を記念するワイン祭りを開く。

 本社工場やブドウ畑、古民家などを巡りながら、「たこ焼きに合う」という発泡ワインなど自社製品や新酒を味わってもらう。前売り券の売れ行きは好調という。ただ、新酒が発酵中のため、当日に間に合うか関係者は固唾をのんで見守る。

 近年、評価が高まっている障害者支援施設「こころみ学園」のワイン醸造場「ココ・ファーム・ワイナリー」(栃木県足利市)の収穫祭は15、16の両日、学園のブドウ畑で開かれる。酵母が生きている「できたてワイン」が直接、タンクから出されるのはこの日だけだ。

 8、9の両日、名古屋テレビ塔下(名古屋市中区)で開かれる「日本アルプスフェス」では長野県の主要ワイナリーの新酒が楽しめる。

 ■仏産より国産が人気

 ワイン通の間で話題になっているのが、ホットペッパーグルメリサーチセンターが8月にインターネットで実施した外食市場調査だ。「この1年に飲んだことのあるワインの産地」(複数回答)は日本が34.5%。本場の国々を抑えてトップとなった。フランスは26.7%で2番目に多く、チリの20.3%が続いた。日本のワインを飲んだ人は特に50~60代男女に多かった。また、ワインを「好き」と答えた人は58.4%と過半数を占めた。

 調査対象は首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳男女(有効回答9592人)。産地はワインメーカーの国籍を指す。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141107-00000563-san-life